2.適切なアンケートの頻度
September 10, 2021 顧客体験
By 内海 雄介(Utsumi Yusuke)
アンケートの頻度については少なすぎても多すぎてもいけないので、アンケートの内容やCX(Customer Experience:顧客体験)改善活動の内容に応じて適切に調整していくことが必要になります。今回のブログでは、当社クライアントとアンケート頻度を検討する際に、当社が考慮する点を共有させて頂きます。
最も重要なタッチポイントを定義する 企業とお客様の接点のことを「タッチポイント」と呼んでいます。その中でも、特に重要な顧客体験となるタッチポイントを定義し、そのタッチポイントの後にアンケートを取るようにします。例えば、お客様に定期購入して頂くようなサービスであれば、契約更新が最も重要なタッチポイントかもしれません。他にも、損害保険会社であれば、事故後の保険金請求のタイミングが最も重要なタッチポイントだと考えたりします。
測定したいのは特定のやり取りか長期的な関係性か フィードバックを依頼する頻度は、測定したい顧客体験の頻度によっても調整するようにします。例えば、小売業でお客様の購買体験を評価したいのであれば、購入の都度、お客様にアンケートを依頼するということもあります。プロジェクトベースでのコンサルティングサービスを提供している会社なら、プロジェクト終了後などのタイミングで顧客満足度を測定したりします。
一方、金融機関や保険会社では、お客様との関係の健全性を定期的に(例えば1年に1回)評価したいと考えるかもしれません。このようなリレーションシップサーベイは、お客様との関係における重要な節目で実施しましょう。例えば、B2B企業の場合、お客様が契約更新の判断をする前に不満に思っている点を解決できるよう、契約更新の3ヶ月前にリレーションシップサーベイを実施する場合があります。同じお客様に複数のタッチポイントでフィードバックをお願いする予定なら、最も重要なタッチポイントを優先するようにしましょう。
アンケートの長さを考慮する 一般的に設問の多いアンケート(例:20問以上)についてはお客様に依頼する頻度を少なくします。頻繁に長文のアンケートを依頼すると「サーベイ疲れ」を招き、回答率が低下してしまいますし、今後のアンケートに回答してくれなくなる、という現象も発生します。それを防ぐため、アンケート依頼期間の間隔を調整して頻度を下げるようにします。
逆に短いアンケート(例:2〜3問程度)であれば高頻度で聞いても問題ありません。例えば、配車サービスであったりフードデリバリーであれば、毎回の使用の後に満足度とその理由を聞くようなイメージです。
どれぐらいの回答数がアクションを取るのに必要か 回答数が少なすぎるとデータの誤差が大きくなり、アクションを取るためには不十分だと考えられます。逆にお客様にアンケートを依頼しすぎてしまうのも顧客体験として良くありません。そのため、Medalliaではアクションを起こすために必要な回答数を検討した上で、アンケート依頼の頻度を検討します。例えば、小売業であれば店舗毎に評価をしたいと考えるかと思います。その場合、各店舗50〜100のアンケート回答を得られるように提案させて頂いております。
万が一、回答数が足りない場合は、単に依頼の頻度を増やすよりも、アンケートを短くしたり、利便性を高めたりすることを検討してください。回答率を上げるための手段について詳しく知りたい場合はこちらをご参照ください。(回答率に関するブログはこちら:リンク)
より詳しく知りたい方は、下記よりベストプラクティス集をご覧ください。